断りのレッスンと好々爺

道新を取ってもなお、他紙の販売所から勧誘の方がいらっしゃる。そして、「あいつに決めたんだって?しかしな、あいつよりオレのほうが君を幸せに出来るんだぜ。さあ、この胸に飛び込んでおいで(意訳)」とおっしゃるのだ。・・・そ、そんな。もう勧誘の方は来ないと思っていたのに。断りの日々に終わりは来ないらしいのです。パイの取り合いは、わたしの想像以上に熾烈だったのですね。

これも皆さんがまじめに仕事をしている結果なのですから仕方がありませんが、ならばこの状況を「断りのレッスン」をするための機会だと捉えようではありませんか。毎回何か言い訳を口にして、どれだけ上手く断れるかを過去の自分と競いましょう。「前回は3分くらいかかったけど、今日は1分で断れた。理由も完璧。うむ、記録更新。」とか。なにがあっても断ること、下手な言い訳をしてしまったとしても、結果として断れたらそれでオッケーなことにして・・・。そうして断り続けるわたしはやがて、この辺りの販売所から「難攻不落の城砦」などと呼ばれるようになったりしてね。そんで、全国の販売所から凄腕の勧誘の方が送り込まれて来るのだ。わたしを落とした人には高額なボーナスと名声が約束される……なーんて、賞金首のお尋ね者になったみたいな、そんなイマジネーションを膨らませてしまいますが。

ええ、こんなことを考えているわたしは実は断るのが苦手なのです。全てのことに対して、「ええ、いいですよ!オッケー。解りました。」と言えたらどんなに気持ちが楽でしょう。でもそんなふうでは、わたしは生きて行けません。カモにはなりたくないし、要らないものは買いたくないし、誘われても行きたくない場所があります。ならばノーと言うのです。

はあ〜(ため息)。今日いらっしゃったのは、わたしの祖父くらいの年齢の好々爺然とした男性だった。シワシワのクシャクシャなお顔、短く刈り込まれた真っ白な頭髪、柔らかな雰囲気、ところどころ歯の抜けた口元に浮かべる人の良さそうな笑顔。「うん、解ったよじいちゃん。新聞取ってあげるよ。」と言えたらどんなにかいいだろうと思った。でも、新聞2誌も取りたくないしなぁー。くぅ〜、ストレス〜。・・・しかし、あの好々爺、帰った先で「ちっ、もう少しだったのにな〜。今度は泣き落としの方向で。」とか言ってたりしてな。

全ての訪問販売さんや営業さんに対応することになるのも、わたしが在宅で仕事をしているからなんですがね。これで日中家を開けていたのなら、エンカウント率は半分以下になるはずなのですが。