夕霧ジャーナル

ブランクはありますが2005年から長く続いているブログです。

エレベーターとおなら

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わたしがおります実家はマンションの11階。階段はもちろんあるのですが、この高さゆえ昇り降りにはエレベーターを利用しています。以前ここで暮らしていたわたしですが、このエレベーターでの昇り降りを楽しめたのは最初の頃だけ。越してきてから1ヶ月も経つと、エレベーターが到着するのを待つのが面倒に思えてきました。エレベーターって誰も使っていないときは1階で待機していますよね。出かけようとするたびに11階まで呼び寄せねばならなかったり、来たぜとおもって乗り込もうとしたら更に上の階の方もエレベーターを呼び寄せていたらしくてスーッと素通りして行って肩透かしをくらったり。11階からの眺めは素晴らしいけど、朝目覚めてカーテンを開けるたびに感嘆の声を漏らしていたのも最初の1ヶ月ほど。あとはもう昇り降りがめんどうで2階か3階(毎日階段で昇り降りしてもいい範囲)が良かったよ、なんておもっていました。そして今もあらためてそうおもってます。

今朝、近所のコンビニへ牛乳を買いに行くためにエレベーターに乗りながら、過去の出来事を思い出していました。そう、あれはわたしがまだここに住んでいた頃のある日の夕方のこと。夕飯の材料を調達しに買い物へ行こうとして、財布片手にこのエレベーター乗り込んだらものすごい異臭が充満していたのです。それが誰かのオナラの匂い(段階的にはMAX、歴代の首位を争うに十分なかほり)だと気づくのにさほど時間はかからず、とっさに鼻を手で覆って呼吸を止め、1階に着くまでの間涙目になりながら耐えていました。その数十秒が、やたらと長く感じられたあの時。やっと1階に到着し、スルスルと開きはじめた扉の間に体をねじ込むようにして外へ出て、ほうっと深呼吸をして目を上げたわたしの前には、なんと2人の女性が。彼女たちはもちろんここの住人だ。「こんにちわー。」などとにこやかな笑顔でわたしにあいさつをし、入れ違いに異臭が充満するエレベーターに乗り込んでいく。わたしはそのとき、どんなにあの女性たちを止めたかっただろうか。そしてどんなに事情を説明しかたっただろうか。しかし慌てふためいて口をぱくぱくさせているうちに彼女たちは行ってしまったのだった。・・・わたしには一体どんな汚名が着せられたのでしょうか。

しかしああいった異臭はどれくらいの間あの空間に漂い続けるものなのか。密閉された空間だから、なかなか匂いは消えないかもしれない。漂い続けるその間に汚名の山が築かれていくのだ。生理現象だから仕方ないかもしれないけど、なるべくホールでしたほうがいいかもね。おならは。

このことがあってから、更に強く2階か3階でよかったのにとおもうようになったんだよなーというのを、エレベーターの中で思い出していました。