今年のはじめに購入した、ダンテ・アリギエーリの「神曲」。手に入れてすぐに読み始めてみたものの、挫折してそのままになっています。集英社文庫ヘリテージシリーズで、各ページの下に注釈があるからいちいち巻末までページを繰らなくてもすぐに意味を確認できるようになっていて、その点はとても便利なのですが、その注釈を読んでもなかなか意味がわからなかったりしてます。わたしがこれを本当に理解するためには、あと何十冊も本を読む必要があり、そしてその本を理解するためにもまた本を読む必要がありそうです。枝分かれしながら入れ子のように続く読書リスト。随分と攻略しがいのある大山脈。地道にゆっくり取り組んでみて、読みたい本を書きだしながら、ちょっとづつ進めていきたいと思っています。きっと数年がかり。
アンネ・フランクの「アンネの日記 完全版」。もうすぐ読み終えそうです。残っているのはあと100ページほど。たぶん、今日中に読んでしまうでしょう。
この日記は推薦図書とされており、学校の図書館にも必ず置いてあるのでいつでも手に取れたのですが、その結末(どうして終わってしまうのか)を知っていたので、あえて手に取らずにきました。読むとツラくなってしまいそうだったから。けど、わたしはもう大人になりました。物事の受け止め方も多少上手くなっていると思うし、事実を知りたいという気持ちもあって読んでみることにしたのです。
読んでみて思ったこと。勝手に想像していた内容とは随分と違いました。アンネがこれほど快活で、豊かな感受性を持った聡明な女の子だったとは。逃れることのできない隠れ家生活のなかで、目をそむけず自身と向き合い、夢を抱いた。なんの罪も無いのに追いやられ、アウシュビッツで最後の時を過ごし。
この日記が終わってしまうのは、1944年。それからまだ一世紀も経ってない。もしも彼女が生還していたら、まだまだ健在だったかもしれない。それがわたしには生々しく感じられます。背後には暗い世界が広がり、バランスを崩せばすぐに落ちていってしまうような恐ろしさとともに。
平和への願いが込められた、「アンネの思い出」という名のバラの花。オレンジ色と黄色の花弁は、朗らかで元気な彼女のイメージにぴったりだと思う。