あのころの休日の過ごし方

何がいけないのか今でもさっぱりわからない。人に話すと笑われた。あのころの休日の過ごし方。

わたしは20代前半で、地下鉄の南郷7丁目駅から歩いて10分ほどのアパートに暮らしていた。休みは週に2日。職場は年中無休だったため勤務はシフト制。大抵は平日に休みが入っていた。平日はどこも空いていて、大っぴらな休みなはずなのになんだか仕事をさぼってぶらぶらしているような気持ちになった。多くの人々が働いている昼日なか、わたしはいましめを解かれて自由の身。落ち着かないような気分。でもその間延びしたような空気が好きだった。

そんな休日にわたしは何をしていたかというと。かろうじて午前中にけだるく起床。ひとしきりうだうだしてから寝床を出て朝食。冷蔵庫に入っているもので適当に済ませる。その後掃除と洗濯をしてから財布をポケットに突っ込んで出掛ける。まずコンビニに寄ってスナック菓子と飲み物を買う。ポテチとか、チートスとか、ポップコーンとか、そのあたりのものとコーラ。次にそのコンビニの並びにあるレンタルビデオ店で映画を2本借りる。部屋に帰る。さきほど買ってきたスナック菓子の袋を開けて、コーラをちびちび飲みながら映画観賞。観終わったら夕方。再びポケットに財布を突っ込んで出掛ける。近所の弁当屋かコンビニで食べ物を買う。部屋に帰る。食べる。シャワーを浴びる。テレビを観る。いい時間になったら就寝。おやすみなさいまた明日から仕事か。と、このように過ごしていた。

ときどき休日は何をしていたのかと訊かれる。正直に答えると「それはないわ」とか「それはやばいよ」とか言われた。でも休みの日くらいだらだらしていたかったし、ひとりの時間を贅沢に味わっているつもりだったわたしはどこがだめなのかまったくもってわからなかった。「え......だめ?」、と言うとぶふふーと笑われたりした。そんなふうに狭い範囲でしか行動しないのもひきこもりの一種なんだよ、と言う人がいたり、俺がデートしてやろうか、と言う人もいたり。し、心配かけてごめんなさい。でも、いけない?

うーん。考えるに、年齢か?20代前半の若人がそれでいいのか?ということだったのだろうか。もっとアグレッシブに過ごせ、狩りに出掛けるんだあの地平の彼方まで、ということだったのかもしれない。と思うのですがどうでしょうか。今のわたしならありなのかな。と考えて気付いた。なんだかあのころとあんまり変わっていない。もし息子がいなかったらたぶん似たような過ごし方をしているのかもしれません。違う点は料理をするようになったところ(実は20代の後半に味覚障害になりかけて食の大切さを思い知らされ、以来なるべく自炊するようになったのです。それでも気を抜くと食生活が後戻りしていることもあったけど)。趣味と、勉強したいこともいくつかあったりします。

息子は成長しやがて巣立っていくでしょう。そうしたらわたしはどんなふうに毎日を過ごすことになるのかな。いまは想像もつかないけど、やがてやってくるであろう未来。そのときできれば、人のために生きていたい。と思っているところもあのころとは違うのかもしれない。運命に打ち捨てられてしまったような気持だったから。