この季節がやってきた

ここへ越してきてもうすぐ3年が経つ。当初はひどく汚れていたこの部屋。管理会社がいろいろと理由をつけて現状渡し。でも本当にそのまんまで引き渡されるとは思っていないかった。内見のとき確かに汚れているようには見えたけど、自力でなんとかなりそうな汚れ具合だと感じたし、なにより息子の幼稚園に近く徒歩で送り迎えが可能な場所なのが決め手だった。地下鉄の駅は少し遠いけどバス停は近いし、コンビニやスーパーも近くはないけど遠くもない。家賃も希望の範囲内。親子2人の暮らしならこの設備で問題ないでしょう、と。

引っ越し当日。なんだか予想以上に汚れてる。間近で見るとひどい。アート引っ越しセンターのスタッフさん、白い靴下の足の裏が黒いよ。床も拭いてくれないの?さすがに軽くでも掃除しておいてくれるんじゃないかと思っていたのに。というかどうしてそう思った。現状渡しって本気でそのまんんまの状態で渡すっていうことだったのか。わたしは世間知らず。オーマイガー。

アートさんが帰ったあと、手持ちの洗剤と雑巾スポンジ総動員でとにかく息子が触れるような場所、床とかドアとかトイレ台所洗面台をまずは急いで掃除した。荷ほどきもしなくちゃいけないのに先が思いやられる。じっくり見ればいたるところが真っ黒け。台所のガス警報器の上には油とホコリが混じったギトギトが堆積。サッシのレールにはカメムシの亡骸が挟まっているし、電気のカサの内側にでっかいハエやら小さい羽虫やらの死骸がたくさん。ドアチャイムや窓枠ドア枠の上なんてホコリがこんもりと、今まで見たことがないくらいにこんもりと、積もり積もって山ができていた。換気扇もよく見たら油ぎっとり。うげえ。それになんか壁がくさい。前の住人の体臭だろうか。とにかくここは汚部屋だったんだろうということは想像できた。それを現状渡しか。でもこの程度までには掃除したんだろうからまったく少しも手入れしなかったわけでもないんだろう。これを了承したのはわたしだ。しかたがない。そう割り切って掃除しまくりました。トイレタンクの中の、あの白い浮き球の上にこんもりホコリがつもって全体が黒カビだらけだったのは衝撃だった。お風呂の鏡の裏側がカビだらけだったのもそう。

すべての汚れをなんとかするため、カビキラーとかマジックリンとか劇落ちくんなどの洗剤と、100均で売っている便利なお掃除グッズを取り揃え、それらのちからを借りてわたしは戦った。お掃除生活はその後しばらく続き、ようやく安心して過ごせるようになったのは更に1か月ほど経ってからだった。しかし汚れ以外にも困難が待ち受けていた。窓の網戸はめくれていて虫が入ってくるし、台所のシンクは水漏れ。風呂の換気扇は故障しているらしくものすごい轟音を立てて回る。管理会社に連絡したらすぐに直してくれたけど。

あれから3年。部屋はもう汚くない。ボロボロでもない。でも問題がひとつだけ残っている。壁がくさい。当初よりかなり薄くはなっている。というよりも冬のあいだはにおわなかったのでもうすっかり消えたものだと思っていた。でもこうして冬が終わりに近づき、春めいて日中の気温があがってくると、ふわっとあのにおいが漂ってくる。脂くさいような汗臭いような、もわーっとした体臭のような気持ちの悪い悪臭。壁なんてね、キッチン泡ハイターを吹き付けてまんべんなく塗りのばしながら拭きあげたこともある。それでも消えない。拭いた直後はにおわないけど、翌日になるとまたにおってる。マジックリンを吹き付けては何度も拭いていたけど、頑固に染みついていて全然取れない。なにこれ最悪、と思いながら過ごしていた。不快なものだよ、壁がくさいだなんて。

春から夏にかけて、もっと気温があがってくるとにおいも強くなるのかもしれない。しかし、感じた悪臭はほんのかすかなものだった。壁を嗅いでみてもなにも感じられない。最後のわずかな残り香を、壁が吐き出しているのだろうか。がんばれ壁。全部出してしまえ。そしてもうにおわないでほしい。3年経ってもにおうとかどんだけ。それどんな汚部屋だったの?

今年はかすかだけれどまだにおう。来年あたりにはすっかり消えているのだろうか。そうであってほしい。におい染み込みすぎ。完全に消えるのに4年くらいかかるだなんてひどすぎる。

夜カフェ~メロウ・ボッサ

夜カフェ~メロウ・ボッサ

今日はこのCDを聴きながら日記をかきました。いいですね、このシリーズ。聴いているとゆったりした気持ちになれます。くさいかおりが漂ってこなければなおいいのにね。

気づけば夜更かししている。もっと早くから書けばよかった。もう寝よう。おやすみー。